植物に含まれる成分を、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)によるメタボローム解析で 分析したデータを集積・公開しています。 食品メタボロームレポジトリ(以下「食レポ」)の姉妹サイトです。 食レポと同じLC-MS条件でデータを取得しているので、LCの溶出時間(RT)を 含めてデータを相互に比較することが可能です。 ただし、分析した時期によってRTは若干変化しており、最大3分程度の差が生じていることがあります (食レポ内での差はおおむね1分以内です)。 RTの制限をつけて検索をする際はご注意ください。


特徴1:精密質量値での検索

特定の質量値を持つ化合物ピークが、どの植物に局在しているか検索できます。

未知成分であっても、サンプル局在性が分かると、その成分を深く研究すべきかどうかの判断材料となります。


特徴2:マススペクトルでの検索

マススペクトル(複数のイオンの質量値vs強度データ)をもとに、同様のスペクトルが検出されたピークを検索できます。

MS2(MS/MS)データに加えて、MS3データが取得されているピークもあるため、例えばフラボノイドなどの特定のマススペクトルを 示す化合物について、サンプル間での配糖体のバリエーションの有無などを確認できます。

※全てのピークについてマススペクトル情報が得られているわけではありません。


特徴3:MassChroBook

マスクロマトグラムの全体像を、2次元画像で視覚的に確認できます。


特徴4:API

ブラウザを介さず、コンピュータープログラムから直接上記の検索などが行えるしくみ(Application Programing Interface, API)を 提供しています。大量なデータの自動検索や、取得したデータを使った集計などが可能です。詳しくはヘルプ→APIによる高度な利用の ページをご参照ください。


特徴5:安定同位体標識データ

安定同位体を用いて窒素または硫黄原子をそれぞれ重窒素(15N)または重硫黄(34S)に完全に置換して 栽培した植物の分析データが含まれます。これにより、未知成分に対して窒素や硫黄原子の個数が推定できます。 このような情報は未知化合物の推定に役立ちます。


分析方法

水への溶けやすさが中程度で、分子量100~1500程度の化合物に適した分析方法です。揮発性成分や、疎水性が特に強い成分は ほとんど検出されません。メタノールで抽出し、C18カラムを用いて水-アセトニトリル系で逆相LC分離を行った後、 高分解能質量分析装置を用いて、エレクトロスプレーイオン化 (ESI)法で陽イオン分析(ポジティブモード)および陰イオン分析(ネガティブモード)を行っています。 強度の強い成分は、MS2, MS3スペクトルが得られている場合があります。


解析データ

観測された精密質量値で、化合物データベースを検索した結果を付加しています。また、 MS2, MS3スペクトルとFlavonoidSearchシステムを用いて、フラボノイドアグリコンの予測を行った結果を添付しています。



ご注意! 成分の解釈について
このサイトで提供されている化学成分の情報は、成分ごとにきちんとした定性・定量分析を行った結果ではありません。 このため以下にご留意下さい。
  • 候補として示された成分がそのサンプルに含まれることを保証するものではありません
  • 候補にない成分が、そのサンプルに含まれていないことを保証するものではありません
本サイトでは、特定のLC-MS分析条件で検出されたピークの質量値を、既知化合物のデータベースで 検索し、近い質量値を持つ化合物を列挙しているだけにすぎません。このため、多くの偽陽性・偽陰性が 含まれていることを、予めご了承下さい。 LC-MSを用いたノンターゲットメタボローム解析の正しい知識のもと、適切にデータをご利用下さい。

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