万物メタボロームレポジトリ(ものレポ)は、 あらゆる物に含まれる化学成分の重さを測定したデータを公開しています。
食品メタボロームレポジトリ(食レポ)や、 植物メタボロームレポジトリ(植レポ)の姉妹サイトです。
※食レポ、植レポとは、使用されている分析装置(液体クロマトグラフィー-質量分析, LC-MS)やその条件が異なるので、データ比較の際はご注意ください。

MassChroBook

2D画像をパワーポイントで見られます。


サンプル分析状況

(2024年2月6日更新)詳細はサンプル一覧でご覧いただけます。

動物 14
植物(葉、花、根など) 609
微生物 18
食品 97
漢方薬 127
環境 8
製品 25
NBRPより 140
標準化合物mix 56 (105化合物)
962

ロゴ NBRPサンプル

ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP) 由来のサンプル分析データが含まれます。

酵母 4 + 培地 6 リソースセンターへ 
オオムギ 5 リソースセンターへ 
アサガオ 5 リソースセンターへ 
トマト 102 リソースセンターへ 
広義キク属 16 リソースセンターへ 
カタユウレイボヤ 2 リソースセンターへ 


目的:未知の化学成分を有効活用するために

身の周りの様々な「物」には、まだ人類が着目していない有用な化学成分がたくさん存在すると考えられます。 たとえば、ノーベル賞を受賞した大村智博士は、伊豆のゴルフ場近くの土壌から、微生物が作る殺虫成分 エバーメクチンを発見しました。このような未活用な天然成分は、まだ多くが発見もされず、私たちの身近に眠っている可能性があります。

物レポは、有望な化学成分をデータマイニングし、有効活用するために構築しました。

実際に、化学成分を高感度に検出できる質量分析装置を使って身の周りの「物」を測定すると、 数百から時には数万種類の成分の存在が、成分固有の質量として確認できます。 ところがその質量値を、これまで人類が発見してきた化学成分と比較すると、多くのものが合致しません。
つまり、膨大な数の未知化合物が、身の周りのあらゆる「物」に潜在しているのです。

このなかから、お宝となる未知成分を探し当てるには、どうしたらよいでしょうか?

解決策の一つは、「特定の物だけに含まれる成分」に着目することです。
たとえば、薬草とその有効成分の多くは、その植物だけにある効き目によって、着目され、発見されてきました。 ひとつの「物」に含まれる膨大な未知成分の質量データは、それ単独ではあまり役に立ちませんが、 あらゆる「物」同士でそれを比較することで、特定の「物」だけが持つ有望な未知成分を発見し、着目してゆけることがわかってきました。

未知成分の探索と有効活用に向けて、 あらゆる「物」に含まれる成分の痕跡(質量)を蓄積し、比較できるのが「物レポ」です。


特徴1:精密質量値での検索

特定の質量値を持つ化合物ピークが、どの試料に局在しているかを検索できます。


特徴2:MS/MSスペクトルでの検索

MS/MSスペクトル(複数のイオンの質量値vs強度データ)をもとに、同様のスペクトルが検出されたピークを検索できます。

※全てのピークについてマススペクトル情報が得られているわけではありません。


特徴3:API機能

ブラウザを介さず、コンピュータープログラムから直接上記の検索などが行えるしくみ(Application Programing Interface, API)を 提供しています。これにより、大量なデータの自動検索や、取得したデータを使った集計など、バイオインフォマティクスが可能となります。 上記ナガミヒナゲシ特異的な未知成分も、この機能を使うことで簡単にデータマイニングできました。
APIの使い方の詳細はヘルプ→APIによる高度な利用のページで解説しています。


用語について

メタボローム
化学成分の「総体」を表します。ゲノム(遺伝子の総体)、プロテオーム(タンパク質の総体)と同類の生物学用語です。 「メタボロ」は、生命の代謝活動によってできる代謝産物(metabolite)に由来しています。
レポジトリ
データの蓄積場所のことです。「データベース」が、辞書のように整えられた正確なデータの集まりを指すのに対して、 レポジトリは、整えられる前のデータの集積です。「物レポ」は、検出された成分データを一つずつ検証して正しい情報を提供している わけではありません(下記の注意もご覧ください)。このため「レポジトリ」と呼んでいます。


ご注意! 成分の解釈について
このサイトで提供されている化学成分の情報は、成分ごとにきちんとした定性・定量分析を行った結果ではありません。 このため以下にご留意下さい。
  • 候補として示された成分がそのサンプルに含まれることを保証するものではありません
  • 候補にない成分が、そのサンプルに含まれていないことを保証するものではありません
本サイトでは、特定のLC-MS分析条件で検出されたピークの質量値を、既知化合物のデータベースで 検索し、近い質量値を持つ化合物を列挙しているだけにすぎません。このため、多くの偽陽性・偽陰性が 含まれていることを、予めご了承下さい。 LC-MSを用いたノンターゲットメタボローム解析の正しい知識のもと、適切にデータをご利用下さい。

 姉妹サイト

  食品メタボロームレポジトリ
  植物メタボロームレポジトリ

 

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